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2015-02-06 21:22    ルイヴィトンモノグラムバッグ人気
(神州不滅と思っていたが……)  保郎は空を見上げた。澄んだ高い空だった。 (神州なんて嘘やったんや。もし日本が神州なら、中国人にもっと親切な筈やった。皇軍いうても、ひどい奴がたくさんいた)  保郎は高崎倫常の言葉を、今更のように思い出した。 「米英と戦えば、日本は必ず負けますぞ」  倫常は繰り返し繰り返し言っていた。その度に保郎は抗議した。 「先生、神国日本が負ける筈はありません。いざとなれば神風が吹きます。元寇の時、神風が吹いたように、いざという時には、神は必ず日本に勝利を与えてくれるのです」  保郎は小学校の時から、そう教えられてきたのだ。いや、保郎だけではない。日本国民全部が、神洲不敗の信念を、固く固く植えつけられてきたのだ。万一日本が負けるなどと言おうものなら、たちまち「国賊」のレッテルが貼られ、高崎倫常のように警察に拘引される。 「いや、米英と戦えば、必ず負けますぞ。文化の程度、その広い国土から産出される物量だけでも比較してごらんなさい。日本の負けは、火を見るよりも明らかですぞ」 「いえ、彼に物量あれど、日本には精神力があります。大和魂があります。日本は神国です。畏《かしこ》くも天皇陛下は神であらせられます」  保郎は日本の不敗を、他の日本人たちと同様に信じて疑わなかった。日本の戦争は、聖戦だから負ける筈はないとも、保郎は言った。が、高崎倫常は、 「聖戦? 保郎君、戦争に聖戦なぞはありませんぞ。戦争は人を殺し、物を掠《かす》め、女を凌辱し、子供の命まで奪うものですぞ」  そうも言った。今にして思えば、聖戦といえる戦いが、この世にあろうとは保郎にも思えなかった。保郎は只むなしかった。自分が今生きていることさえむなしかった。     蒋介石 一八八七〜一九七五。中国の政治家。反共独裁の国民党指導者(総統)として、米英の援助を得て抗日戦争を指導。第二次大戦戦後、毛沢東らの共産勢力との内戦に敗れ、台湾に退いた。 関東軍 中国遼東半島の西南にあった日本の租借地関東州と満洲にあった旧日本陸軍諸部隊の総称。一九〇五(明治三十八)年日露戦争後に設置された。一九四五(昭和二十)年八月、ソ連軍の満洲侵攻により壊滅した。 甘藷 さつまいものこと。