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 こんどメシを食おうって約束したじゃないですか! いっしょにメシを食おうって!  喉の奥から悲しみの声がこぼれそうになったときだった。紅蓮の炎にゆらぐ水平線のむこうに影が浮かびあがった。  超巨大ドーレムの影だった。功刀《くぬぎ》さんが命とひきかえにしたっていうのに、あのドーレムには傷ひとつついていない!  走りだそうとしたおれの肩をエルフィさんがつかんだ。 「どこへいくつもりだ」 「どこって……ラーゼフォンに乗るに決まってるじゃないですか」 「どうやって? ラーゼフォンはニライカナイだぞ」 「はなしてください」 「ダメだ。功刀《くぬぎ》司令が死んだと決まったわけではない。それに司令がやろうとしたことは、あたしたちを逃がすことだ。おまえも、あたしもここにいなきゃならないんだ。生きなきゃならないんだ。それがあの人の遺志だ」 「でも、そんなの卑怯です!」 「生きていくっていうのは、卑怯なことなのさ。卑怯な自分を噛みしめて生きていくことなんだ。それが残されたものの仕事なんだ」  残されたものの仕事……。そんなこといわれたら、どうしたらいいんだよ。 「あのドーレムがリーリャ・リトヴァクに攻撃をしかけてきたら、そのときこそ立ちあがるんだ。こんどはほかの仲間を助けるために。わかったか」  そういっておれの肩をつかむエルフィさんの手が小刻みに震えた。頬を一筋の涙がつたっていた。 [#改ページ] 断章6 功刀《くぬぎ》 仁
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