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ルイヴィトンベルト中古編集

[ルイ・ヴィトン] LOUIS VUITTON タンブール ステンレススチール(SS)×革ベルト(ヴェルニ)×ダイヤモンド Q13M0 [中古]
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[ルイ・ヴィトン] LOUIS VUITTON タンブール ステンレススチール(SS)×革ベルト(ヴェルニ)×ダイヤモンド Q13M0 [中古] 
 拓一は下《か》腿《たい》部《ぶ》を骨折していた。一応医師は処置をしてくれはした。が、痛みが強いのか、我慢強い拓一が時々呻き声を発する。その声に耕作の顔も歪む。  本来ならば、自分がこのベッドに臥《ね》ている筈であった。それを拓一が身代わりになってくれた。運動会の反省会で、遅くなるのを知っていて、わざわざ拓一は耕作を迎えに来た。が、そのことでこんなことになってしまったのである。 (どうして兄貴がこんな痛い目に遭わなきゃならないんだ)  耕作は先ほどからずっとそのことを考えつづけていた。拓一は小さい時から今まで、働きづめだった。そして真面目だった。女に触れたこともなければ、酔いどれてくだをまいたこともない。いやそれどころか、いつも人のことを思って生きてきた。弟の自分や、妹の良子をどんなに可愛がってくれたことだろう。良子のために、木を削り、人形を作ってくれた拓一の姿を、耕作は決して忘れることはできない。 (あの時だって、兄貴は冬山の仕事で疲れていた筈だ)  疲れていても、良子を喜ばせたくて、夜遅くまで人形を彫っていたのだ。自分を中学にやりたいと言ってくれたのも拓一だったと耕作は思う。青が死んだ時もそうだ。耕作が厩《ま》栓《せん》棒《ぼう》をきちんとかけておかなかったばかりに、青は干《ほ》し唐《とう》黍《きび》か何かを食って危篤におちいった。修平はあの時怒鳴った。 「誰だ、厩《うまや》のかんぬきを忘れたのは!」  はっとした耕作が答えるより先に拓一が言った。 「俺だ。俺が忘れたんだ」  そう言って拓一は耕作をかばってくれた。何も知らぬ修平は拓一を怒鳴りつけた。 「この間抜けが!」  拓一は黙って、耕作に代わって叱られてくれた。  いや、拓一のあたたかさは、家族に対してだけではない。同じ部落の者にも、青年団の者にも一様にそうであった。誰かの失敗はいつも拓一がかぶった。だから拓一は、団員たちにも部落の若者たちにも好かれた。 (兄貴ほどいい人間がいるだろうか)  改めて耕作は思う。ひっそりと拓一の枕もとに腰かけている佐枝に、耕作は尋ねずにはいられなかった。 「母さん、兄ちゃんはいい兄貴だよね」  佐枝は静かに耕作を見、深くうなずいて言った。 「ほんとうにやさしい性格ですよ、拓一は」
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