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(MIUMIU)ミュウミュウ 財布コピー リボン&フリル付き エナメルレザー 5M1109編集

 断崖を、両手両足を駆使して駆け上がった。人が三人ほどいるらしい。それと、巨大な何か。それを見上げる。生きているという気配はしない。サーヴァントのような気配も感じない。ならばどうするかなんて、簡単なことだった。  一陣の風が吹き抜ける。頽れる人と倒れている人の間を縫って吹き抜ける。巨大なモノが腕らしきものを振り下ろそうとするのを視た志貴は、既に跳躍していた。一体自分は何メートル飛んでいるのか。巨人の腹の辺りに視えた点に到達しているのだから、さぞ飛んでいるのだろう。  ナイフを引き、突いた。感触は無い。ただ確実に殺したという実感と共に、志貴は着地した。 「遅いぞ、志貴」  背後からの声に、志貴は肩をすくめた。 「ああ、悪い」  生きていたのか、とはたずねなかった。  凛の声が聞こえなかった。改めて前方を睨んだ。三人の人影のうち、いまだ確認が取れていない最後の一人。志貴にはその一人が二人に見えるのだが、どういうことなのか。どちらにせよ、それが間桐桜であることは、想像に容易かった。 「き、さま……何を、した」 「桜って子は、こんな声なのか……?」  桜だと思った者の声は、まるで老人のものだった。しゃがれ、つぶれ、聞き取りづらい震えた声。 「……臓硯だ」 「孫の体を……へえ、良い趣味してるじゃないか、おまえ」  再び、志貴が風になった。ひとりがふたりに視えた理由も、簡単なモノだ。乗っ取っていた。悪趣味極まりないことだと思う。悪趣味が過ぎてとても許す気にはなれないから── 「返礼だ、よくもやってくれたな」  一瞬で臓硯に肉薄した志貴を睨みつける視線を感じた。桜自身から。 「……とおの、しき」  臓硯の声ではなかった。ああ、これが桜か。おとなしそうな、好い声だった。志貴の眼に、彼女の姿がありありと映った。黒く長くて綺麗な髪に、少し弱気で俯きがちな視線。けれどどこかに強い心を持ったその姿は成るほど──。
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